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リスクを低減する目的は、土壌汚染による経済リスクが企業活動に与える影響を、許容できるレベルにまで少なくすることです。不動産開発業者は多種多様な土地を取扱う以上、それぞれの局面において正確にリスクを予想し、その場に応じた方法によりリスクを低減、予防、移転、保有することが要求されます。
まず不動産売買及び証券化において土壌汚染リスクを明確に予想するには、その利害関係者が全体のニーズを正確に把握する必要があります。不動産売買を行う当事者間(売主・買主)においては対象不動産の土壌汚染状況を明確に理解しWin-Winの契約関係を築くこと、土地売買後にマンションを建設するような場合には不動産購入者(エンドユーザー)、不動産の証券化においてはその投資家に対して土壌汚染発生有無の実態を説明し、その土地が安全であり且つ資産価値が高いことを証明することが最も重要なこととなります。

不動産売買当事者間におけるリスク低減
売主は買主とWin-Winの関係を結ぶ最善の手段は買主が将来活用しうる土壌調査を実施し、且つ対象不動産の土壌汚染可能性を把握することにあります。土壌汚染の可能性をまったく把握しないまま、後々に発生しうる瑕疵担保責任を契約上免責したとしても、その対象不動産の購入額は著しく低下し、また相互信頼が確立されないことにより企業イメージが低下します。最終的な不動産購入者及び投資家の価値を認識したうえでその安全性を証明しうる調査を実施することが重要です。しかし昨今の不動産取引において売主側で実施される調査は、買主側が将来活用しえないものが多いのが実体です。
買主はこのような場合には契約締結の前段階で、下記の事項を注意することで土壌汚染のリスク低減が可能となります。 |
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(1) |
デュー・デリジェンスの実施(買主による土壌汚染リスクの認識) |
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(2) |
売主が提示する調査内容の報告書精査 |
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(3) |
契約書において売買契約により土壌汚染問題が生じた際の紛争解決方法の明文化 |
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(4) |
保険を活用する |
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開発事業者のリスク低減
一般的に法律及び条例に基づいて土壌汚染状況調査を実施し、調査対策が完了した場合には、その不動産の安全性は確立され幅広い利害関係者に対しての安全の証明となりえます。また土壌汚染状況調査という形ではなく、残土搬出に伴う地質分析についても適切な処置を実施することにより安全の証明材料ともなりえます。しかし法令に基づく調査を実施する場合には、通常よりも行政手続が介入するため予定していた事業計画を大幅に遅らせてしまうリスクを有します。また土壌汚染関連の法令と残土処分関連の法令等複数の法令が同時に関わる場合などは、その調査方法とタイミングを誤ることで異なる汚染土壌の情報を重複して所有しまう危険性も存在します。さらに行政との間で適切な意思疎通ができていないことで、再調査及び追加調査を要求されてしまう危険性もでてきます。
このようなリスクを低減するには |
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(1) |
事業計画を把握し、将来規制がかかる法令をあらかじめ把握しておくこと |
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(2) |
行政が要求しうる土壌調査内容を明確に把握して、十分に行政折衝を重ねること |
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(3) |
将来改正が予想される調査対象項目及び調査方法を把握しておくこと |
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などがあげられます。
しかし多くの不動産売買及び証券化では法律及び条例等に該当しないケースであり、その証明基準は各開発事業者に委ねられることとなります。このような場合、必ずしも土壌汚染対策法で規定する調査内容が適切とは限りません。ある程度の情報を不動産売買当事者間が適切に把握している状態にあれば、その情報をもとに臨機応変な調査方法を選定すればよいのです。売主及び買主双方がすべての利害関係者の判断基準を明確に理解することで、無用な土壌汚染調査を避け必要最小限の調査を実施し、リスク低減が可能となります。 |