土壌汚染が引き起こす人体や生活環境への悪影響についてのご紹介です。
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土壌汚染がもたらすリスク

リスクと健康リスク


「リスク」という用語は様々な分野で様々な概念や定義のもとに用いられていますが、統一的にとらえると、「人間の生命や経済活動にとって望ましくない事象の発生の不確実さの程度およびその結果の大きさの程度」という日本リスク研究学会による定義で表されます。
 
健康リスクとは、人の活動によって加えられる環境への負荷によって環境の保全上の支障を生じさせるおそれ(可能性)を示す概念で、環境にとって不都合な事例(エンドポイント)の生起確率のこと、言い換えれば、化学物質が環境を経由して人の健康や生活環境に悪影響を及ぼす可能性のことを指し、次式の概念で示されます。
[健康リスク]=[化学物質の有害性]×[化学物質の暴露量]
  ここで大切なのは、有害な化学物質があることをもって健康リスクが生じるのではなく、その化学物質に暴露する機会があり、暴露する量(または程度)が有害性の発現に十分であったときに初めて健康リスクが生じるということです。 

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土壌汚染による健康リスク


土壌汚染による健康リスクの対象は、化学物質の投入、侵入、付着による土壌汚染を起点として、環境中の多様な暴露経路を通じて人の健康および生活環境に及ぼすおそれです。
 
現在、土壌汚染対策法で考えられている健康リスクは、土壌中の特定有害物質に起因する人の健康への影響のおそれであり、下記二つの分類がなされます。
汚染土壌を直接摂取することによるリスク(直接摂取によるリスク)
汚染土壌からの特定有害物質の溶出に起因する汚染地下水等の摂取によるリスク
(地下水等の摂取によるリスク)

土壌汚染による健康リスクには、汚染によるリスクと土壌汚染対策の実施に伴い発生するリスクの2つがあります。
土壌汚染による化学物質の暴露経路

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土壌汚染による企業リスク


土壌汚染問題が発生すると、土地所有者あるいは汚染原因者である企業の経営にも様々なリスク(企業リスク)が発生します。

  土壌汚染による企業リスクは、業績へのリスクと不動産リスクの2つに大別できます。
(1) 業績へのリスク
業績へのリスクには、以下に示す直接的リスク、社会心理的リスク、規制リスクの3つがありますが、これらの中で最も取り扱いの難しいのが、住民の心理に起因して生じるためにリスクの発生要因とその企業への影響の関係が見えない社会心理的リスクである。

・直接的リスク: 調査・対策の実施に伴って直接的に発生するリスク
−調査・対策に伴う費用の発生、操業停止、施設配置変更
−訴訟・賠償に伴う費用の発生
・社会心理的リスク: 住民の心理的な要素によって大きく変わって来る社会心理的なリスク
−企業イメージの低下
−地域からの信頼感の低下
−社会からの監視の目の強化
・規制リスク: 環境規制の強化等に伴って発生するリスク
−環境規制の複雑化・強化に伴う企業負担の増加、企業競争力への影響
(2) 不動産リスク
不動産リスクは土壌汚染が発生した土地を保有することにより発生するリスクであり、土地を資産としてみた場合の価値や運用に係わるリスクです。
 
不動産リスクの内容としては、土地の資産価値の低下、土地の資産運用への影響、対策費用負担による土地の売却益の減少、土地売却後の瑕疵担保責任の発生があります。
 
最近の動向として、2002年7月の不動産鑑定評価基準の改正で土壌汚染が存在する場合に不動産鑑定評価額に影響が与える場合があることが留意事項として明記され、土壌汚染対策法に規定されている調査、区域指定、措置等の各手続きに対応した鑑定評価上の対応が示されました。また、その他の留意事項として、汚染の除去等の措置が行われた後でも心理的嫌悪感等による価格形成への影響を考慮しなければならない場合があることが明記されており、スティグマ(Stigma)の概念が取り入れられています。この土壌汚染の存在による不動産鑑定評価額への影響は、2005年度から強制適用された減損会計によりこれまで以上に企業経営に影響を及ぼすようになってきています。

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